日本じゃ子供の日と同じにされてて、ちまきを食べるあの日です。
もともとこの端午の節句というのは中国のとある故事から来ている
ものなんですよね。
中国の今から2000年以上前の戦国時代、群雄が
ひしめく割拠の時代です。
南方の楚という国に屈原という政治も文学にも優れた人物がいました。彼は国の為、幾度となく国王にこうあるべきだという旨の進言や書を提出したのですが、讒言にはばまれ次第に政治から遠ざけられてしまいます。
その後楚は秦により滅亡してしまいます。祖国が滅亡したことを知った屈原は国を憂い投身自殺をしこの世を去ったのです。
彼の愛国心や人柄を偲ぶ民が毎年屈原が死んだその日に、彼を記念して毎年色々な行事を行い彼の魂を慰めるというところからこの端午の節句というものは出来たんですね。
何と奇遇にも2004年の6月22日ちょうど、中国の端午の節句に屈原のお墓参りを
することが出来まして、人民から知られざる民間伝承を聞くことが出来ました!
★屈原が投身自殺したのはどこ?
今現在の湖南省(シ日)羅【mi4luo2】市西北に流れる(シ日)羅江
で彼は身を投げてこの世を去りました。(一番上の写真が(シ日)羅江です)
丁度彼が身を投げた辺りに彼を祭る屈子祠や屈原碑林があります。
※ちなみにこの河付近の風景すごくのどかで静かでめちゃくちゃいい環境でお勧めです!
★屈原民間伝承
今回自称”超級屈原ファン”(笑)を名乗る人民に幸運にも出会いまして、
彼から色々聞かせてもらいました。
屈原が河に身を投げた後、下流へ6,7キロ流れていったところで、何と川が逆流を
して屈原の遺体が身を投げた場所辺りに流れ着いたというのです。
迷信も非常に多かった当時のことを考えると、付近の人々は仰天したことでしょう。
これは何かの啓示だということで流れ着いた場所付近に彼を祭る祠を建てたと言われて
います。
その後彼の遺体は彼の子供たちによって埋葬されたのですが、
これまたすごい事実を知りました。
何と今現在の屈子祠近くに屈原の墓が27個もあるというんです!(ほんまかい!!)
彼の子供は男9人、女2人いましたが、屈原の死後彼の墓を誰かが壊したり荒らしたり
するのを恐れてたくさん偽の墓を造ったと言われています。
そのうち石碑などがあって一応政府の保護を受けているのが、
屈子祠近くの墓と鉄道近くの墓です。
私が実際に見たのは屈子祠近くの墓です。
元々この墓は道沿いにあったんですが、建物を建てるということで丘の上に移され
墓の規模も小さくなってしまっていました。
元々の規模は王様の墓クラス級だったとのことで、自称屈原ファンのおっちゃんは
興奮しながら(笑)教えてくれました。
★本物の墓はどこなん?
正直考古学的にもまだどれがどれだか分からないそうです。
しかし、彼の遺体が流れ着いた辺りに屈子祠があり、そのすぐそばにあるこの墓が
一番信憑性が高いように思われました。
この墓は27個の墓のうち最大規模のものだったということも考えると、不思議と
本当に彼の墓に来たような気持ちにさせられます。
今現在この墓は草が時期が時期だけに生い茂っていて、石碑すら見つけられない
状態でした。
おっちゃんは探しまくったあげく見つからなかったので
「見せることが出来なくてまことに申し訳ない!」を連発していました。
さすがに自称”超級屈原ファン”(笑)どうしても私に石碑を見てもらい
たかったようです。
久しぶりに熱血人民と出会い私も楽しかったです。
何が熱血?そんなあなたはこちらをどうぞ
★端午の節句に食べるものって何ぞいな?
まずちまき(中国語では綜子と言います)、これは必ず食べます。
他には桃色の包子(いわゆる饅頭)、梨等の果物が一般的です。
この日になると屈原を記念して上記のような食べ物を(シ日)羅江に流します。
これにより屈原の遺体を魚がつつかないようにする為だと言われています。
これもまた民間伝承からきているんですけど、ほんと色々啓示を含んでいて
面白いですね。
皆さんも機会があったら是非足を運んでみてください!!
■ ア ク セ ス ■
※写真は船ーの渡し場(屈原祠対岸から)です(肝心の屈原祠は写真の右手にあります)
(シ日)羅は長沙東バスターミナルから約2時間ほどで着けます。岳陽からも同じようにしてバスが出ていますよ。(シ目)羅市は岳陽市に属します。
(シ日)羅の中心バスターミナル(列車駅横)に着いたら、街の中心地あたりのバスターミナルから白塘行きか楚塘行きのバスに乗り、船の波止場近くのロータリーで降りると左手に屈子祠があります。
墓はそのロータリーを南に道沿いに1、2km歩いたところにあります。
墓自体はかなり見つけにくいので相当聞き込まないといけないかもしれませんね。
ちなみに屈子祠で屈原墓どこ?と聞くと鉄道付近の墓を教えられます。
その墓は祠から20km以上離れていまして、アクセスがかなり厄介かもしれません。
(聞くところによるとその付近は午後4時を過ぎるとバスがなくなるそうです)
市内からバイタクで行くのであれば相場は12元〜高くても20元。
(シ日)羅江付近はのどかでとてもいい景色ですよぉ〜♪

↑(シ目)羅川

↑(シ目)羅川の船渡し場

↑屈原を祀る屈原祠入り口。

↑遠くを見据える屈原の像。彼が見ていた未来とは。。。

↑屈原のお墓。草が生い茂りすぎて石碑が見つかりませんでした(笑)